Mini Album『FRIENDS II』収録

知る人ぞ知る、バラード名曲です。あえて抑えられた稲葉さんのファルセットが、悲哀の雰囲気を巧みに作り出しています。裏声のことをファルセットというのを最近知ったので、使ってみたかったわけですね。

歌詞はメロディと合致した静かな雰囲気ですが…物語が具体的に語られていません。よって難解です。『睡蓮』の時のように見当違いになる可能性もありますがあしからず。

舞台は雪の降る寒い暗い夜です。静けさの中で男は過去の失恋を思い出し、女々しい物思いに耽っています。はっきりしないのは彼がフッたか、フラれたかです。ちょっと普通と変えて箇条書きで考えていきましょう。

本当に一人になったことないからね 自分の強さも知らない
これは過去の話でしょうか。となると逆説的に今は一人で、自分の弱さを痛感していることになります。

あのときどうしてうそをつかなかったのだろう
ここから完全に仮定の話です。あのときとは別れの瞬間であり、彼女からの問いかけ(「ほんとに私の事好きなの?」なり「実は別れたいと思ってるんじゃない?」なり)に対して、いつもは偽りばかりのはずが、軽率に正直に(?)思いをぶつけてしまった(「そんなに好きじゃなくなったかもしれない」、「実際別れてもいいかなと思う」)のを思い返している場面であると解釈しました。当時は孤独を知らなかったために惜しくなかったのでしょう、そして孤独を知った今後悔の念に駆られる様子が伺えます。

「壊してしまいたい」手放した鳥は 二度とは戻ってこない
恋愛関係に疲れたのでしょうか、終わりにさせたいという一心から鳥を手放してしまった描写です(ストレートにとれば、手放した鳥は彼女の象徴でしょう)。

以上よりフッたのは主人公の方なのでしょう。しかし彼は彼女を失ってからはじめて孤独の寂しさ、苦しさを感じています。そして彼は…諦めます。どんなに想っても一度手放した彼女にその想いが届くことはなく、自分の中に残しておいても苦しいだけの思い出が蘇るだけ。それならばその思い出ごと追放し、封じ込めてしまいたい…という願いを降り積もる『SNOW』に込めているのではないでしょうか。自分の愚かさも彼女の偶像も、この世の悲しみを全部 深く 深く埋めてしまえという悲愴極まりない願望がこの曲のコンセプトといえましょう。

雪といえば思い浮かぶのは白ですね。すべてを雪にうずめるとはすなわち全てを白く塗りつぶすことで、何もかもをリセットしたいという思いの現れともとれないでしょうか。でも多分、雪の降る夜になれば彼はまた思い出すことでしょう。なかったことになどできない、だからこそ彼は苦しんでいるのです…。

次回は『Real Thing Shakes』です。稲葉先生に日本語版タイトルを尋ねたところ、『ホンモノってやつはよぉ…なぁ、おい』らしいです。ヒエーッ
閲覧ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。